林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』



東急不動産に東日本大震災便乗批判


東急不動産の「東日本復興応援プラザ」が震災便乗資本主義であると批判されている。東日本復興応援プラザは東急不動産が運営する銀座TSビル(東京都中央区)で東日本大震災の復興支援の一環として展開する期間限定スペースである。物販スペース「銀座いきなり市場」などがある。
企業本位の復興事業は被災者を一層苦しめる危険がある。阪神大震災で被害を受けた神戸市長田区では復興の名目で中高層の再開発ビルが建設されたが、被災者達は借金地獄に苦しめられている。自己破産や会社倒産、夜逃げが続発し、自殺者も出ている。再開発ビルは空き部屋だらけである(テレメンタリー「復興という名の地獄 〜震災から17年、神戸で今・・・」テレビ朝日、2012年1月16日放送)。
これは東急電鉄と東急不動産が住民の反対を無視して進める二子玉川ライズに重なる。二子玉川ライズでも小規模地権者は駅前から追い出され、駅から離れたバーズモールやオークモールに入居する。環境の激変で体調を崩す住民も少なくない。東急不動産は東急不動産だまし売り裁判でも消費者無視の企業体質が露骨であった(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』)。住民や消費者を苦しめる東急不動産に被災者を支援する意思と能力と資格があるのか大いに疑問である。
焼け野原から経済大国にしてしまう前に進むことしかできない愚かしい性質を持つ日本人は震災復興という言葉に浮かれ騒ぐが、マイナス面を直視しなければならない。東日本大震災の復旧・復興工事などで休業4日以上となった建設業の死傷者は2011年12月末までで358人に上る(厚生労働省「労働災害発生状況」2012年1月20日)。
復旧・復興工事は通常の工事よりも危険度が高く、人手不足によって安全管理が徹底されない傾向がある(青野昌行「復旧・復興関連で建設業の死傷者が358人に」ケンプラッツ2012年2月3日)。原発労働では労働者の犠牲の上に原子力発電所が成り立っていることが指摘された。その背景には健康や生命と引き換えに働かざるを得ない格差と貧困が存在する。程度の差はあれ、同じことは建設労働にも該当する。

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